家事を決断要否でシンプルに分類してみよう
共働き世帯にとって家事*1の分担は必須です。
我が家は負担は半々をモットーにしています。どちらかというと体力のある私がやったほうが家庭トータル体力*2で見て得している、と思っていますし、隙間家事は積極的にやっています。
でも悲しいかな、まだまだ女性に家事の負担が偏っているのも現実。これに関しては男性側が意識を変えるべきで四の五の言わず夫婦で家事をしなさい、という気持ちです。正直なんで自分の家の家事をやらない人がいるのか不思議です。
家庭の運営は一生続く壮大なプロジェクトだと私は思っています。夫婦はそのプロジェクトの共同責任者です*3。ポイントは共同なのです。お互いにプロジェクトの成功に責任を持つことが必須。プロジェクトの成功とは家族の幸せを実現することだと思います。
家事をうまく処理していくことは家庭運営プロジェクトを成功させるための重要な要素です。ここに携わらないのは責任の放棄に当たります。今現在、家事にあまり関われていないなと感じる男性の方には、ぜひ責任者の座に戻ってきてプロジェクト成功に向けて夫婦で協力する体制を作り上げてもらいたいと思います。
プロジェクトの成功には共同責任者である夫婦の綿密なコミニュケーションが必要不可欠です。家事の負担が偏っていてもそれを解消できないのは、コミュニケーションがうまくいっていない部分もあるかと思います。
コミュニケーションの取り方も練習が必要です。お互いの会話のリズムとか、人間性そのものを理解していくことが大事だと思います。夫婦だって他人です。相手のことをすべて理解することは出来ません。それでも、相手と向き合って少しずつ理解していく、という過程を辿ることが家庭運営プロジェクトを成功させる秘訣です。
そのような人に焦点を当てたコミュニケーションの取り方を改善しながらも、家庭に潜む問題を解決するためには話し合い・議論が必要です。議論の際には、内容によっては何かしらフレームワーク的なものがあると論点をはっきりさせることができるかもしれません。
家事の負担不平等解消に向けた議論というのは、夫婦間のコミュニケーションの質を向上させるいい題材になるかと思います。
今回は、議論する際に役立つかもしれない一つのフレームワークを提供したいな、と思って記事を書いています。議論のきっかけになれば幸いです。
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家事の分担に関する議論を行うためには、まずどんな家事があるのか、を把握し夫婦で認識を合わせておかなくてはいけません。
認識合わせに有用な手段としてリスト作成をお勧めします。
リストにすることで家事の内容を可視化でき、どのように分担すべきか、そもそも家事にかかる時間を減らせるよう改善できないか、という議論に進みやすくなります。
ただ、やはりこの家事担当の振り分けが揉めるポイントです。お互いに、自分の方が多くやっているのではないか、自分の方が負担重いんじゃないか、と思いがちです。
なので、家事個別の負担をもう少し可視化するといいです。家事負担の重みつけ、です。
重みつけののためにシンプルに一つの基準に従って家事を二つに分類してみましょう。
その基準は「その家事は決断を要するか」です。
シンプルにすることで打ち手を考えやすくなります。
なぜ決断要否を基準とするか。
決断するためには、多くの情報を仕入れ、いくつかの観点で比較検討し、最終的に一つを選ばないといけません。いくつもの工程が入るんですね。家事で一括りにされがちですが、決断が必要な家事と、それ以外は作業として分けることができます。
例えば、料理。
料理は「何を作るか」と決断するパートと「調理する」パートに分けられます。
何を作るかを決めるためには、レシピを調べ、冷蔵庫にどんな食材が入っているか情報を集め、情報をもとにレシピを比較検討して、決定するという作業が必要になります。
何を作るか決まってしまえば実際の調理は作業となります。決められた分量の材料を入れ、煮たり焼いたり。そこで悩むことはあまりありません。
つまり、
難易度が高い家事・・・決断が必要な作業
難易度が低い家事・・・決断が不要な作業。手を動かせば終わる作業。
に分けていくのです。これくらいざっくりの方が議論の入りとしてはいいと思います。
まず家事を分類し、家事の負担感についても夫婦間で認識を合わせておきましょう。
負担感も夫婦によって意見が異なると思います。妻にとっては簡単だと思うものが夫にとっては難しかったり、逆に夫にはなんでもないことでも妻の負担になっていたり。
こういった夫婦間で認識が違うことを確認することも重要な目的です。お互いが感じていることを素直に話せるようになってくると、議論の成功の確率はグッと高まります。
家事分類の基準をきっかけとして、家事の難易度についても夫婦独自の指標を作ってみることもいいかもしれません。
自分達で作り上げた指標であれば納得感ありますよね。これも作り上げる過程に大きな価値があります。
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具体的な家事割り振りに向けた流れを説明しておきます。
まず、難易度の高い低いで家事を分けてリスト化します。
リスト化後、難易度の低い作業の時間短縮に向けたテコ入れ方法を考えます。
テコ入れの方向性としては
- 作業するインターバルを長くする(例、掃除頻度の減少)
- 作業そのものをなくしてしまう(例、使い捨て便利グッズの導入)
- 作業を時短家電で代替する(例、食器洗い乾燥機の導入)
かと思います。
特に3は効果が大きい。今は本当に便利な家電がたくさんあります。もともと多くの時間が取られる家事を自動化できるので短縮効果がはっきり出ます。うちはドラム式洗濯乾燥機、食器洗い乾燥機、ロボット掃除機、ホットクックを導入しています。これらがないと生活は破綻しているでしょう。
ただ、これらの家電はそれなりに値が張ります。パートナーから文句出るかもしれません。そんな時こそ、リストの出番です。どれだけの家事があるのか、それを短縮することで生み出される価値がどれだけあるのか、をリストをもとに説明しましょう。家電への投資分なんてすぐ回収できます。時間を生み出すってそれだけ大事です。
次に手をつけるのは、決断が必要な難易度の高い家事への対応です。
こちらはどうすればいいでしょうか。
結論として、決断が必要な家事には時間をかけましょう。作業というルーティンの時間をなるべく減らし、捻出した時間を元手に考える時間を増やした方がいい。
というのも決断をする、何かを決めるということは、その後の生活の方向性を決めることになり、生活の質に直結します。なので、なるべく納得いくまで時間をかけて決断した方がいい。
例えば、また料理の例で恐縮ですが、料理の「何を作るか」の部分について、一回ちゃんと時間かけて1週間分のレシピを構築してしまえば、それに従って料理するだけになります。
1週間の献立という価値の高いアウトプットを出せます。
しかも、必要な食材も明らかになるので、買い出し材料を都度考える、という行為からも解放されます。
さらにさらに、材料が決まっていれば自分で買い出しに行かなくても、生協などの配達を利用すればさらに時間を節約できます。
「何を作るか」の部分に時間をかけてアウトプットを出すことで作業に落とし込める。そうすると、ますます家事にかかる時間を短縮することができる。得られた時間を使って別のことを考えることができる。
いいスパイラルに入りますよね。
たくさん時間を使ったとしても、得られる効果が大きいと思いませんか?
ここまでできると夫婦間でかなり認識が一致してきたと思います。
そして、夫婦の家事分担も負担が平等になるように、納得感ある分担ができそうな気がしませんか。
リストに従って一気に担当者を決めてしまいましょう。
あとは実行あるのみです。日常生活を頑張りましょう。
実行してみたらうまく行かないこともたくさんあると思います。その時はまた議論する時間をとって、修正していけばいいのです。
我が家も1週間に一回くらいは、何か負担になっているものがないか、お互いに聞いて修正をかけています。せっかく夫婦二人で機動性も高く行動できるので、対話を増やして心地よい家庭運営を目指しましょう!
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最後に、この考え方は家事以外にも応用できます。
決断が必要なことって、家事以外にもたくさんある。
育児関係は決断の連続だし、長期視点でのライフプランの構築にも多数の決断が必要です。
どこに住むのか、習い事は何するのか、受験するのか、転職したいのか、保険は何に入るのか、車買うのか、家買うのか、資産管理どうするか、等等。
ちょっと考えるだけでもこれだけ出てくる。本当に多くありますね。
そしてこれらは家庭運営プロジェクトの中でもトップクラスに重要な案件です。
コミュニケーションなくして成功はあり得ないでしょう。
ぜひ家事という日常に求められることを題材としてコミュニケーションを練習し、育児やライフプラン、資産形成へと議論を広げていってください。
改めて言いますが、夫婦は家庭というプロジェクトを共同で運営している共同責任者です。プロジェクトを成功させるために協力し合いましょう。そのような夫婦が増えれば嬉しいです。
ではでは。