まよなかブログ

フルタイム共働き子育て世帯の夫のブログ

社内に育児メンターが欲しい

パパになってから気づいたことがあります。

それは、「育児している・しようとしている男性」が「同様の境遇にいる男性」と話せる機会が、意外とない事です。

大学時代の男友達ともこの感覚が一致しまして。やっぱり周りに気軽に話せる人いないよねー、と。

 

気軽に話せる人のイメージって以下のような存在です。

  • 仕事と育児をどうやって両立させたら良いのー!?という悩みを聞いてもらえる存在
  • 具体的な相談するほどのネタはないが、今こんな状況で大変なんですよーと雑談程度に話せる存在

話すことでスッキリする側面もありますし、こういう話を短い時間で軽くできる相手が身近にいると結構精神的に楽になるだろうな、と思います。

 

で私が考えているのが、

この役割を社内に育児メンター(育児について簡単に話せる年の近い社員)という形で作れないだろうか、ということ。

 

なぜ社内なのかというと、

  1. 育児と仕事を両立させるノウハウは同じ社内でこそ上手くいく
  2. 仕事と育児を両立させるためには、育児の話題を職場にもっと持ち込むべき

と思っているからです。

 

 

1. 育児と仕事を両立させるノウハウは同じ社内でこそ上手くいく

特に乳児、幼児くらいの子供を抱えている共働き親たちの悩みって、仕事と子供の世話を両立させるための時間が圧倒的に足りていないことだと思います。

親になりたての場合だと、仕事と育児を両立させるための生活リズムの確立に、まず非常に苦労しているはずです。

こういった苦労は子供を持っている社員はみんな通っている道のはずで、同じ会社内には仕事の状況とか人事制度などを熟知した子育ての先輩社員がいるので、彼らに社内の仕組みをどう活用して乗り切ったか、といった非常に実用的なノウハウを伝授してもらえるはずです。

この、実用的なノウハウというのが非常に大きな価値があるところです。

 

ネットなどで、子育てしながらの共働きはこうしたらいい!みたいな情報ってたくさん溢れていると思うのですが、やはり一般的な情報になっちゃうんですよね。

我々が知って役に立つのって、

  • 人事の◯◯さんに相談すると有益だよ、子供が病気の時は人事制度のコレが使えるよ、といった即行動に移せるレベルの具体的なアドバイス
  • 会社の風土を理解した上での仕事の切り上げ方のアドバイス

くらい具体的なものじゃないですか。

このレベルのアドバイスはどうしたって同じ社内でないと手に入れられない情報だと思うんですよね。

 

社内の育児の先輩たちの経験にはとんでもない価値があります。

子育てを始めたばっかりの社員にとっては喉から手が出るほど欲しい情報です。それを育児メンターという形で後進に伝える仕組みができると、子育てを応援する素晴らしいエコシステムになるんじゃないかな、と思います。

 

2. 仕事と育児を両立させるためには、育児の話題を職場にもっと持ち込むべき

先日のエントリー「子育てするにはコンテンツが溢れすぎている - まよなかブログ」で触れましたが、今は仕事以外の時間で子育てやら家事やら趣味やら勉強やら全てをこなさないといけません。これだと時間が足りなすぎて、育児と仕事の両立が難しく子供を持つことを諦めることにつながるのではないかな、と思っています。

自らの実感としても、仕事と育児の両立はしんどい。自分の時間なんてなくなります。

自分の時間がなくなることを割り切れないと辛いですが、割り切れない人がいてもおかしくないしその人を責められないよな、と感じます。

 

仕事以外の時間で育児のすべてをやりくりしようとするからしんどいだから、仕事の時間に育児に関する悩み事の解決策くらい考えさせてもらったいいんじゃないの?、というのが育児を職場に持ち込むという発想の元です。

 

仕事で困ったことがあれば職場の先輩に相談するように、育児でも困ったことがあれば先輩に相談するが当たり前になるといいのです。

 

職場、がポイントです。

職場でも当たり前のように男性が育児に関する悩みを話せるようになると、男性が育児することは当たり前なんだ!と思える空気を社内に作っていけるんじゃないかなと思っています。

さらにさらに、そうした空気が世の中に浸透すれば、子育ては一人でするものではなく社会が応援してくれるんだ、と人々の意識が変わり少子化対策の一つにもなるのではないか、と勝手に期待しています。

 

プライベートを職場に持ち込むな、という考えもあると思います。

でも個人的に、それはプライベートの厄介ごとをアウトソースできる人の特権、つまり家に専業主婦の妻がいた昭和の社員の特権だと思っています。今の時代、夫婦で協力して育児をし仕事もしているのですから、プライベートにだって主体的に関わらないくてはいけませんよね。

プライベートで悩み事があれば仕事に影響が出ることがあります。人間だもの。

その悩みは本人にとって難しい問題でも、もしかしたらすでに解決策がある悩みかもしれません。それをメンターといった相談相手がいることで教えてあげることができれば、仕事にもいい影響がでます。

 

一億層活躍社会は裏返せば一億総子育て社会でもあります。

プライベートと仕事は分けるもの、ではなく仕事からプライベートに良い影響を与え、そしてプライベートが充実することで仕事にいい影響をもたらすという正のスパイラル、が目指すべき姿ではないでしょうか。

 

導入するための制度案

育児メンターを制度化するために考えないといけないことはなんでしょう?

最低限二つの立場から物を考えないといけなくて、

1. 社員に、育児メンターになりたいと思ってもらうこと、

2. 企業に、育児メンターという肩書きを用意してもいいと思ってもらうこと

ですね。それぞれの対応案としては以下などいいんじゃないでしょうか

 

  1. 育児メンターになる人には、2%くらい給料を増やしてあげるなどやると良いんじゃないかなーと思います。
    ガッツリ業務とすると逆に動きにくいところありますし上司も評価が難しいところあるので、業務にすると難しそう。
    育児メンターの活動内容はガイドラインを準備するなどして、人事あたりが育児メンターのコミュニティ管理をするなど。今、専門的な役職をおいて別の給与体系にしている会社も増えているので、それを参考にできそう。
  2. 企業側にもメリットとして、一定の育児メンターコミュニティが機能している企業の法人税率を軽減するくらいやって良いんじゃないかと思います。
    長期的な視点であれば、少子化が進むことで将来確実に企業の業績にも悪影響を与える(市場の縮小や働き手の不足)ので、取り組む意義はあると言えますが、やはり直接的な金銭的なメリットが欲しい。
    こうすれば企業は育児メンターに追加で出す給料の原資を作ることができます。
    国も子供が増えることで将来の税収が増えるので投資と考えられます。

 

===

 

パパが育児の相談をしたくても、プライベートだけでは似たような境遇の人に相談する機会って結構ないんです。

でも、社内には同じような年代の子どもを一生懸命育てている素晴らしい先輩たちがたくさんいるじゃないですか。彼らの経験は宝の山です。宝の持ち腐れとならないよう、育児の先輩から後輩を支援するエコシステムが職場にできると、嬉しいなと思います。

 

お読みいただきありがとうございました。