まよなかブログ

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育児休業取得までの道のり〜仕事・制度編〜

育児休業を取得しよう、と思ってまずやることは育児休業に関する情報収集かと思いますが、これが結構大変です。

まだまだ、社内といった身の周りで育児休業を取得している男性が少ないので、情報を集めること自体が難しいんですよね。

ただ、ネット上には男性の育児休業取得の体験談情報がかなり蓄積されるようになってきています。

こういった体験談情報の蓄積は、背景や状況が異なるものがあればあるほど価値があるかと思うので、情報蓄積の一助になればと思い、育児休業を取得するまでの準備について、私の経験から重要と感じたポイントを紹介したいと思います。

 

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【仕事編】

前提として、私は東京のオフィス勤務です。

企画系の仕事をしており、ルーティンワークは少なめ、プロジェクトベース寄りの働き方をしています。どちらかというと、自分の裁量で自分の働き方を決めることができる方だと思います。

 

そのように働いている私が育児休業を取得するまでの経験から、円滑に取得するポイントは以下3点だと感じました。

  • とにかく早めに上司に相談する
  • 普段から仕事で評価を得ておく
  • 取り組んでいる業務の内容を整理し引き継ぎやすくしておく
- とにかく早めに上司に相談する

育児休業を長期で取りたいと思っていたので、妻の妊娠が分かってからすぐ、妊娠3ヶ月で上司に相談しました。

本来であれば安定期に入ったくらい、妊娠5ヶ月くらいが目安かと思うのですが、なるべく早く相談して業務の調整に入らせてもらいたい、という思いもあり妊娠3ヶ月目での相談を持ちかけました。

 

上司に早めに相談することは最重要ポイントだったと思います。

やはり、早めの相談の方が、業務の調整も可能とのこと。新規の仕事もセーブしてくれるようになりました。

また、業務調整に必要な必要最低限の人にはこの話は共有するが、それ以外の人には話を出さないという配慮も上司はしてくれました。

 

因果関係は不明ですが、結果的にうちの部署には人が増えて業務も非常にスムーズに引き継ぐことができました。

これは非常にラッキーなケースだったと思いますし、この通りに進むことはほとんどないかもしれませんが、早めの相談をして悪いことは一つもありませんでした。

 

上司との関係性などが原因で相談しにくい方もいるかもしれませんが、遅くなればなるほど言い出しにくくなりますし、言われた方も困ることになります。

言い出すまでのハードルはありますが、その後の数ヶ月をかけて、上司との面談を通じて業務の調整もしやすくなるので、頑張って乗り越えましょう!

 

- 普段から仕事で評価を得ておく

育休の取得は権利なので当然誰もが取得を申し出ることができます。また、会社側もそれを認める必要があります。なので、理論上は普段の仕事の評価は気にしないで良いはずです。

 

が、それでも、人間は感情の生き物なので、普段からしっかり仕事している人の方を応援したくなるものです。マイナスの感情で育児休業に送り出されるより、プラスの感情で送り出されたいですよね。育児休業は復帰する方が大変、とも言いますし復帰後になるべくいい雰囲気で戻ってくるためにも、上司にプラス感情を持ってもらうことは意識した方がいいと思います。

 

仕事で評価されるということは、言い換えると上司から信頼されているということになります。

信頼関係の構築は日々の振る舞いでしか出来ません。

特別なことをする必要はなく、任された仕事はしっかり終わらせる、報・連・相をしっかり行う、といった仕事の基盤と言われることを積み重ねておくことが重要だと思います。

特に、報・連・相ができているということは、上司とのコミュニケーションが確立されていることになるので、最重要ポイントとお伝えした「上司への早めの相談」を実行する上でもプラスに働くと思います。

 

- 取り組んでいる業務の内容を整理し引き継ぎやすくしておく

おそらく、育児休業に入る時は多くの方は仕事を同僚や上司に引き継ぎされるかと思います。

仕事を肩代わりしてもらう分、彼らが仕事しやすいようにできるだけ丁寧な引き継ぎを行いたいものです。

しかし、育児休業に入る直前に慌てて引き継ぎ資料を作っても、バタバタして上手くまとめるのは難しいな、と自分を振り返って思います。普段から業務内容を整理しておく癖をつけておくと、直前に慌てることなく引き継ぎ準備ができるかと思います。(とは言え、やはりなんやかんやバタバタしますが笑)

 

普段から業務内容を整理しておくことは、優れた報・連・相にもつながりますし、上司が業務を把握することで部下が育児休業を取得する不安を軽減させることになり、結果として育児休業の取得のしやすさにつながると思います。

メリットが多いので、ぜひ業務を整理すると言う意識を、普段から仕事に取り入れてみてください。

 

【制度編】

育児休業は基本的に子供が生まれてから1歳になるまでの期間、男性でも女性でも取得できます。男性と女性が同時に取ることも出来ます。また、1歳までの期間であれば分割して最大2回まで取得できます。

 

育児休業制度の内容を教えてくれるサイトはネットで検索すると多く出てきます。*1

また、社内のイントラで人事部などが紹介している企業も多いのではないかと思います。

育児休業取得を考えられている方は、社内の人事部に制度について確認してみましょう。

 

制度の基本的な理解はそれらの情報に任せるとして、私がここは特に理解しておいた方がいいのではないか、と思うポイントを2つ挙げておきます。

- 育児休業給付金は振り込みが遅い

育児休業中は会社から給料は支払われません。無給です。その代わりに雇用保険の加入者は育児休業取得前までもらっていた給料の67%(取得後半年まで。半年以降は50%に減額)を育児休業給付金として受け取ることができます。

ただし、育児休業給付金は社会保険料*2が免除されるので、実際は取得半年後までは給料の8割ほどを受け取ることができます。

育児休業給付金は育児休業取得中のお金の心配を解消してくれる非常に優れた制度なのですが、実際に振り込まれるまで2,3ヶ月のラグがあるという難点があります。

私も7月に育児休業を取得してから、このお金が振り込まれたのは10月でした。

この期間を乗り越えるための貯金が必要となります。各々の家庭で1ヶ月の支出額を把握して、最低限、その金額は貯金しておく必要があることを心に留めておきましょう。休みに入ってから貯金が尽きたとなったら笑えないですからね…

(共働きで女性が産休の場合は、産後8週間分の給料が振り込まれるので、この期間の収入として計算できます)

 

ちなみに育児休業給付金には支給上限額があります。

育児休業給付金の支給上限額:30万1299円(育休開始から6ヶ月まで、支給率が67%の場合)

つまり月給が44万9700円以上もらっていたとしても、30万1299円までしかもらえない点注意しましょう。

 

- (考察)産後パパ育休はシフト制の仕事に効果的か

2022年10月から産後パパ育休(正式名称は出生時育児休業)が始まりました。

産後パパ育休は生後8週間までの間に最大で4週間の休業を取得することができます。この4週間は2回に分割する事ができます。

産後パパ育休は従来の育児休業は別物なので、育児休業も分割で取得すると最大4回に分けて育児休業を取得することができます。*3

 

当初、私はこの制度のメリットをイマイチ理解できていなかったのですが、使用方法を想像してみると小分けに取ることができると言うのがメリットだという結論になりました。

繁忙期、閑散期がある仕事やシフト制でどうしても復帰せざるを得ない、と言う特定の期間だけ復帰すれば再び育休を取れる状況になる人にとっては取得のハードルが下がるので効果がある、と思います。

 

ただ、私のようにある程度自分の裁量で仕事をしている人は、頻繁に復帰すると仕事を引き継ぐ方も大変になるので、分割しないほうがメリット大きいかな、と思います。

 

【推薦図書】

- 男性育休サバイバルブック

育児休業取得の事例は多ければ多いほど参考になると冒頭述べましたが、多数の経験者の話から男性の育児休業取得の実態をまとめてくれている、夢のような書籍があります。 

男性育休サバイバルブックに書いてあることは、多数の実体験が詰まっており、実際に自分の経験と照らし合わせて共感できることが多かったです。自分も準備段階からこの本に出会いたかった。非常に良い本です。

育児休業を取得したいけどどうやって準備したらいいか分からない、という人はまずこの「男性育休サバイバルブック」を読んでみると男性の育児休業取得に向けた準備がイメージできると思います!

 

制度も整備されてきたり、世間に認知されてきたことで、どんどん取得しやすくなっている男性の育児休業

仕事を長期間休むことへの不安はあるかと思いますが、夫婦で力を合わせて赤ちゃんを育てるという、人生で最も重要と言って良いイベントに参加しないという選択肢はありません。

一人でも多くの男性が育児休業を取得して、継続的に育児へ主体的に関わるきっかけとなることを願っています。

 

ではでは。

 

【関連記事】

育児休業取得までの道のり〜動機編〜のブログは以下

育児休業取得までの道のり〜動機編〜 - まよなかブログ

 

*1:最も権威があるのは厚生労働省のホームページでしょうか。官公庁のサイトは辿りにくいのが難点ですが。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

男性育休に特化したパンフレットはこちらです。https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/09.html

*2:健康保険料、厚生年金など。また、無給なので所得税は0円です。

*3:産後パパ育休の解説は以下のサイトがわかりやすかったです。

https://www.nicebaby.co.jp/blog/childcare-leave