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育児休業取得までの道のり〜仕事・制度編〜

育児休業を取得しよう、と思ってまずやることは育児休業に関する情報収集かと思いますが、これが結構大変です。

まだまだ、社内といった身の周りで育児休業を取得している男性が少ないので、情報を集めること自体が難しいんですよね。

ただ、ネット上には男性の育児休業取得の体験談情報がかなり蓄積されるようになってきています。

こういった体験談情報の蓄積は、背景や状況が異なるものがあればあるほど価値があるかと思うので、情報蓄積の一助になればと思い、育児休業を取得するまでの準備について、私の経験から重要と感じたポイントを紹介したいと思います。

 

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【仕事編】

前提として、私は東京のオフィス勤務です。

企画系の仕事をしており、ルーティンワークは少なめ、プロジェクトベース寄りの働き方をしています。どちらかというと、自分の裁量で自分の働き方を決めることができる方だと思います。

 

そのように働いている私が育児休業を取得するまでの経験から、円滑に取得するポイントは以下3点だと感じました。

  • とにかく早めに上司に相談する
  • 普段から仕事で評価を得ておく
  • 取り組んでいる業務の内容を整理し引き継ぎやすくしておく
- とにかく早めに上司に相談する

育児休業を長期で取りたいと思っていたので、妻の妊娠が分かってからすぐ、妊娠3ヶ月で上司に相談しました。

本来であれば安定期に入ったくらい、妊娠5ヶ月くらいが目安かと思うのですが、なるべく早く相談して業務の調整に入らせてもらいたい、という思いもあり妊娠3ヶ月目での相談を持ちかけました。

 

上司に早めに相談することは最重要ポイントだったと思います。

やはり、早めの相談の方が、業務の調整も可能とのこと。新規の仕事もセーブしてくれるようになりました。

また、業務調整に必要な必要最低限の人にはこの話は共有するが、それ以外の人には話を出さないという配慮も上司はしてくれました。

 

因果関係は不明ですが、結果的にうちの部署には人が増えて業務も非常にスムーズに引き継ぐことができました。

これは非常にラッキーなケースだったと思いますし、この通りに進むことはほとんどないかもしれませんが、早めの相談をして悪いことは一つもありませんでした。

 

上司との関係性などが原因で相談しにくい方もいるかもしれませんが、遅くなればなるほど言い出しにくくなりますし、言われた方も困ることになります。

言い出すまでのハードルはありますが、その後の数ヶ月をかけて、上司との面談を通じて業務の調整もしやすくなるので、頑張って乗り越えましょう!

 

- 普段から仕事で評価を得ておく

育休の取得は権利なので当然誰もが取得を申し出ることができます。また、会社側もそれを認める必要があります。なので、理論上は普段の仕事の評価は気にしないで良いはずです。

 

が、それでも、人間は感情の生き物なので、普段からしっかり仕事している人の方を応援したくなるものです。マイナスの感情で育児休業に送り出されるより、プラスの感情で送り出されたいですよね。育児休業は復帰する方が大変、とも言いますし復帰後になるべくいい雰囲気で戻ってくるためにも、上司にプラス感情を持ってもらうことは意識した方がいいと思います。

 

仕事で評価されるということは、言い換えると上司から信頼されているということになります。

信頼関係の構築は日々の振る舞いでしか出来ません。

特別なことをする必要はなく、任された仕事はしっかり終わらせる、報・連・相をしっかり行う、といった仕事の基盤と言われることを積み重ねておくことが重要だと思います。

特に、報・連・相ができているということは、上司とのコミュニケーションが確立されていることになるので、最重要ポイントとお伝えした「上司への早めの相談」を実行する上でもプラスに働くと思います。

 

- 取り組んでいる業務の内容を整理し引き継ぎやすくしておく

おそらく、育児休業に入る時は多くの方は仕事を同僚や上司に引き継ぎされるかと思います。

仕事を肩代わりしてもらう分、彼らが仕事しやすいようにできるだけ丁寧な引き継ぎを行いたいものです。

しかし、育児休業に入る直前に慌てて引き継ぎ資料を作っても、バタバタして上手くまとめるのは難しいな、と自分を振り返って思います。普段から業務内容を整理しておく癖をつけておくと、直前に慌てることなく引き継ぎ準備ができるかと思います。(とは言え、やはりなんやかんやバタバタしますが笑)

 

普段から業務内容を整理しておくことは、優れた報・連・相にもつながりますし、上司が業務を把握することで部下が育児休業を取得する不安を軽減させることになり、結果として育児休業の取得のしやすさにつながると思います。

メリットが多いので、ぜひ業務を整理すると言う意識を、普段から仕事に取り入れてみてください。

 

【制度編】

育児休業は基本的に子供が生まれてから1歳になるまでの期間、男性でも女性でも取得できます。男性と女性が同時に取ることも出来ます。また、1歳までの期間であれば分割して最大2回まで取得できます。

 

育児休業制度の内容を教えてくれるサイトはネットで検索すると多く出てきます。*1

また、社内のイントラで人事部などが紹介している企業も多いのではないかと思います。

育児休業取得を考えられている方は、社内の人事部に制度について確認してみましょう。

 

制度の基本的な理解はそれらの情報に任せるとして、私がここは特に理解しておいた方がいいのではないか、と思うポイントを2つ挙げておきます。

- 育児休業給付金は振り込みが遅い

育児休業中は会社から給料は支払われません。無給です。その代わりに雇用保険の加入者は育児休業取得前までもらっていた給料の67%(取得後半年まで。半年以降は50%に減額)を育児休業給付金として受け取ることができます。

ただし、育児休業給付金は社会保険料*2が免除されるので、実際は取得半年後までは給料の8割ほどを受け取ることができます。

育児休業給付金は育児休業取得中のお金の心配を解消してくれる非常に優れた制度なのですが、実際に振り込まれるまで2,3ヶ月のラグがあるという難点があります。

私も7月に育児休業を取得してから、このお金が振り込まれたのは10月でした。

この期間を乗り越えるための貯金が必要となります。各々の家庭で1ヶ月の支出額を把握して、最低限、その金額は貯金しておく必要があることを心に留めておきましょう。休みに入ってから貯金が尽きたとなったら笑えないですからね…

(共働きで女性が産休の場合は、産後8週間分の給料が振り込まれるので、この期間の収入として計算できます)

 

ちなみに育児休業給付金には支給上限額があります。

育児休業給付金の支給上限額:30万1299円(育休開始から6ヶ月まで、支給率が67%の場合)

つまり月給が44万9700円以上もらっていたとしても、30万1299円までしかもらえない点注意しましょう。

 

- (考察)産後パパ育休はシフト制の仕事に効果的か

2022年10月から産後パパ育休(正式名称は出生時育児休業)が始まりました。

産後パパ育休は生後8週間までの間に最大で4週間の休業を取得することができます。この4週間は2回に分割する事ができます。

産後パパ育休は従来の育児休業は別物なので、育児休業も分割で取得すると最大4回に分けて育児休業を取得することができます。*3

 

当初、私はこの制度のメリットをイマイチ理解できていなかったのですが、使用方法を想像してみると小分けに取ることができると言うのがメリットだという結論になりました。

繁忙期、閑散期がある仕事やシフト制でどうしても復帰せざるを得ない、と言う特定の期間だけ復帰すれば再び育休を取れる状況になる人にとっては取得のハードルが下がるので効果がある、と思います。

 

ただ、私のようにある程度自分の裁量で仕事をしている人は、頻繁に復帰すると仕事を引き継ぐ方も大変になるので、分割しないほうがメリット大きいかな、と思います。

 

【推薦図書】

- 男性育休サバイバルブック

育児休業取得の事例は多ければ多いほど参考になると冒頭述べましたが、多数の経験者の話から男性の育児休業取得の実態をまとめてくれている、夢のような書籍があります。 

男性育休サバイバルブックに書いてあることは、多数の実体験が詰まっており、実際に自分の経験と照らし合わせて共感できることが多かったです。自分も準備段階からこの本に出会いたかった。非常に良い本です。

育児休業を取得したいけどどうやって準備したらいいか分からない、という人はまずこの「男性育休サバイバルブック」を読んでみると男性の育児休業取得に向けた準備がイメージできると思います!

 

制度も整備されてきたり、世間に認知されてきたことで、どんどん取得しやすくなっている男性の育児休業

仕事を長期間休むことへの不安はあるかと思いますが、夫婦で力を合わせて赤ちゃんを育てるという、人生で最も重要と言って良いイベントに参加しないという選択肢はありません。

一人でも多くの男性が育児休業を取得して、継続的に育児へ主体的に関わるきっかけとなることを願っています。

 

ではでは。

 

【関連記事】

育児休業取得までの道のり〜動機編〜のブログは以下

育児休業取得までの道のり〜動機編〜 - まよなかブログ

 

*1:最も権威があるのは厚生労働省のホームページでしょうか。官公庁のサイトは辿りにくいのが難点ですが。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

男性育休に特化したパンフレットはこちらです。https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/09.html

*2:健康保険料、厚生年金など。また、無給なので所得税は0円です。

*3:産後パパ育休の解説は以下のサイトがわかりやすかったです。

https://www.nicebaby.co.jp/blog/childcare-leave

パートナーが自分の言葉をどう受け取るか意識して会話しよう

家庭の健全な運営のためには夫婦間のコミュニケーションがうまく行っていることが欠かせません。

でもコミュニケーションって一口に言っても難しいですよね。言語的なやりとりもあれば、仕草といった非言語でのやり取りもあります。

 

ですがコミュニケーションで最も意識すべき点は、相手がどう受け取るか、です。

言った側がいくら後から、そういうつもりではなかったと伝えても、言われた側にとっては関係ありません。

 

すれ違いを避けるためにも、相手がどのような受け取り方をするのかという癖みたいなものを把握しておくと、円滑にコミュニケーションをしやすくなるんじゃないかな、と思います。

 

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私と妻では言葉の意味の受け取り方がここまで違うのか、と思ったエピソードがあります。

映画「ノッティングヒルの恋人」を一緒に見ていた時のことです。

 

 

突然ですが、ここで読者の皆様にクイズです。

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問題

映画の初めの方で、主人公が書店で万引きしようとしている客を見抜いて思いとどまらせ、その様子をそばで見ていたヒロインが主人公に向かって「万引きしようとしていたけど止めておくわ」という場面があります。

 

さて、この時ヒロインがこのような台詞を放った意図はなんだと思いますか?

***

 

 

 

私は、これは主人公を誉めるためにこう言ったのだと思いました。

万引きを見破ってお見事、をオシャレな言い方で伝えるなーと感心してました。

 

 

一方、私の妻はこの台詞を聞いて、

ヒロインは本当に万引きしようと思っていたけど他の客が見破られていたのをみて思いとどまったからそれをそのまま伝えたのだと思った、

と言うのです。

 

 

同じ場面でもこんなに受け取り方が違うのか!!と衝撃を受けたものです。

 

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ここで言いたかったのは、自分ではこうに違いない、と思っていても、他の人が全く異なる受け取り方をしているかもしれない、ということです。

 

ここで、人がどのように言葉の意味を取り得るのか、を考える際の参考になるかなと思うので、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化について説明したいと思います。

 

コンテクストとは文脈を意味します。

  • ハイコンテクスト文化
    言葉で表現された内容そのものの意味より前後の文脈から本当の意味や意図を察することを求める文化です。いわゆる空気を読む、ことを求められるんですね。
  • ローコンテクスト文化
    言葉で表現された内容が大きな価値を持ちます。言葉で表されたそのままの内容でコミュニケーションします。

 

ハイコンテクスト文化の人はコミュニケーションの責任を受け手に求め、ローコンテクスト文化の人はコミュニケーションの責任を話し手に求める傾向があります。

理解しない奴が悪い、と、理解できないように言う奴が悪い、の違いですね。

 

日本は最もハイコンテクストな文化を持つ国の一つと言われます。

アジアは比較的ハイコンテクスト文化で、欧州は比較的ローコンテクスト文化と言われることが多いです。

 

さて、上記は文化の話ですが、個人間(ここでは夫婦間)のコミュニケーションでも気を付けるべき点として適用できると考えています。

 

私たちは自分が言ったことを、受け手側が自分が意図している通りに受け取っているだろう、と考えがちです。受け手側に責任を転嫁してしまうことがしばしばです。日本人はハイコンテクスト文化なので、無意識にこのような行動をしてしまいます。

でも実際には全く違う受け取り方をしていることの方が多い、と考えた方がいいです。私と妻が映画の一場面ですら解釈が異なった通り。

 

なので伝える側が、どうしたら相手が自分の意図した通りに言葉の意味を受け取ってくれるのか、をもっと工夫しなくてはいけません。

相手が自分のことを分かってくれている、理解してくれている、という気持ちはまず捨てましょう。そして、自分の言いたいことはそう思った背景含めて丁寧に説明することを意識することが必要かと思います。

よく言われることですが、何も知らない子供に説明するにはどうしたらいいか、を考えて言葉を紡ぐといいですね。

また、言葉の受け取り方には個々人ごとに独特の癖があると思います。相手との丁寧なコミュニケーションを通じて、その癖を理解することで、相手が理解しやすい言い方がわかってくるはずです。そうすればコミュニケーションコストも下がり、より円滑なコミュニケーションが可能となるでしょう。

イメージとして夫婦レベルをあげていく感じです。長い時間一緒にいるのですから、一緒にレベルアップして強い夫婦になっていきたいですね。

 

相手が理解してくれるはずという気持ちに甘えるのはやめて、自分の言葉は自分が責任を持って相手に届ける、という意識を持つと、なんで言ったことが伝わってないんだ!という理不尽な怒りを抑えることに繋がり、健全なコミュニケーションひいては家庭運営につながるのではないでしょうか?

 

私も油断すると相手に解釈の負担を与えがちなので、ここに書いた点を意識して、相手がどのように言葉を受け取るのか分析し、自分の言葉が正しく伝えられるように日々鍛錬していきたいと思います。

 

ではでは。

 

「男は仕事」という呪われた免罪符

まだまだ、男は家族の大黒柱として稼ぎ家族を養わなくてはいけない、という考えを持っている人は多いです。

20,30代であっても、多かれ少なかれこの考えが、心の奥底に巣喰っているのではないでしょうか?

 

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この考えはこれまで男性が家事育児をしないための免罪符として活用されてきました。

社会もまた免罪符が効力を発揮する手助けをしてきました。女性に家事育児を押し付け時間を奪い、賃金を抑え、不当に社会進出の機会を奪ってきました。

子供という将来の労働力の育成を家庭に縛りつけた女性に押し付けることで、時間をたくさん持つ男性労働力を欲していたのです。男性も自分の時間を自由に使える(使えると思い込んでた)ため、これに乗っかりました。

この免罪符が流通していたことが前回エントリーで書いたような、意識の変革を阻害してきた大きな要因の一つだと思います。

 

それでも、女性達が長い時間をかけて声を上げ続ける事で、ようやくこの免罪符っておかしくね?と社会が気づく状況になってきました。

 

男性側もそろそろ自分達からこの免罪符を手放す時期がきていると思うのです。

「男は仕事」の考えから脱し、家事育児に積極的にコミットして夫婦で負担を分け合い、お互いの就労を助け合う。そうなるべきです。

 

そして、この流れは男性自身にも大きなメリットをもたらすものになると私は考えています。

何故か。

この免罪符は呪われているからです。

 

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「男は仕事」という言葉は免罪符であると同時に男性に呪いをかけるものでした。

 

男は一人で家族を支えなくてはならない、

どんなに苦しい仕事でも歯を食いしばって耐えなくてはならない、

決して弱みを見せてはならない、

といったプレッシャーをあらゆる場面で、あらゆる人から受け続けてきました。

 

自分の親の目、結婚相手の親の目、世間の目。

向こうは意識してようが意識してまいが、その言動がプレッシャーを与え続けてます。

そして、この役割分担から抜け出せずに苦しんでいる男性も多くいると思います。

私自身もやっぱりどこか、自分が多く稼がなければ、と焦ることがあります。

 

その考えに囚われて苦しんでいる人が多いのは自殺者の内訳にも見て取れます。

自殺者の7割が男性であり自殺の主な理由が経済・生活問題、勤務問題であることから、働けない稼げない男性は生きている価値がない、と思ってしまう人がまだまだ多いと推測されます。

 

 

男性は大なり小なり幼い頃から男らしさを求められてきました。男らしさは「強さ」であり、「強さ」の象徴として富や権力がイメージされます。

 

現代において仕事で高い給料をもらう、出世して偉くなる、ということがまさに男らしさの体現なのです。

 

なのでこの道から外れることが出来ない。自分の価値がなくなってしまうのではないか。怖いと感じる。

この呪いによって苦しみ続けています。

 

今、この呪いから解放される大きなチャンスが来ています。

それは、男性は家庭に進出し家事育児に積極的に取り組むべき、という世の中の動きです。

この男性の家庭進出、女性の社会進出を推進しようという動きは、男性が呪いの断ち切る千載一遇のチャンスなのです。

このチャンスはぜひものにしたいところ。これ以上苦しむのをやめませんか?

男性優位な社会に満足していた人とっては、「男が仕事をしながら家のことをやるなんてけしからん。男の負担が増えるだけだ。」と思うかもしれません。

でも、逆です。

男性はラクになるんです。

 

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私は夫婦共働きで子供を育てることを推奨していますが、その主な理由は経済面でのリスクヘッジです。

私が病気や怪我で働けなくなっても、妻が家族を養だけの給料をもらって働いていれば、家族は生きていけます。

逆も然りです。

家族を夫婦二本柱で支えているのです。

 

「男は仕事」という考えを捨て、自分も家庭に十分コミットする、その代わり妻にも家計にコミットしてもらう。これが出来るだけで精神的に非常に楽になります。

 

男性は自分自身を苦しめる呪いから解放されていいと思います。

解放の鍵となるのは、家事育児への参加と妻の就労支援です。ぜひ、夫婦二人三脚で一本柱から二本柱を作り上げましょう!

 

ではでは。

 

家事を決断要否でシンプルに分類してみよう

共働き世帯にとって家事*1の分担は必須です。

 

我が家は負担は半々をモットーにしています。どちらかというと体力のある私がやったほうが家庭トータル体力*2で見て得している、と思っていますし、隙間家事は積極的にやっています。

 

でも悲しいかな、まだまだ女性に家事の負担が偏っているのも現実。これに関しては男性側が意識を変えるべきで四の五の言わず夫婦で家事をしなさい、という気持ちです。正直なんで自分の家の家事をやらない人がいるのか不思議です。

 

家庭の運営は一生続く壮大なプロジェクトだと私は思っています。夫婦はそのプロジェクトの共同責任者です*3。ポイントは共同なのです。お互いにプロジェクトの成功に責任を持つことが必須。プロジェクトの成功とは家族の幸せを実現することだと思います。

 

家事をうまく処理していくことは家庭運営プロジェクトを成功させるための重要な要素です。ここに携わらないのは責任の放棄に当たります。今現在、家事にあまり関われていないなと感じる男性の方には、ぜひ責任者の座に戻ってきてプロジェクト成功に向けて夫婦で協力する体制を作り上げてもらいたいと思います。

 

プロジェクトの成功には共同責任者である夫婦の綿密なコミニュケーションが必要不可欠です。家事の負担が偏っていてもそれを解消できないのは、コミュニケーションがうまくいっていない部分もあるかと思います。

コミュニケーションの取り方も練習が必要です。お互いの会話のリズムとか、人間性そのものを理解していくことが大事だと思います。夫婦だって他人です。相手のことをすべて理解することは出来ません。それでも、相手と向き合って少しずつ理解していく、という過程を辿ることが家庭運営プロジェクトを成功させる秘訣です。

そのような人に焦点を当てたコミュニケーションの取り方を改善しながらも、家庭に潜む問題を解決するためには話し合い・議論が必要です。議論の際には、内容によっては何かしらフレームワーク的なものがあると論点をはっきりさせることができるかもしれません。

 

家事の負担不平等解消に向けた議論というのは、夫婦間のコミュニケーションの質を向上させるいい題材になるかと思います。

今回は、議論する際に役立つかもしれない一つのフレームワークを提供したいな、と思って記事を書いています。議論のきっかけになれば幸いです。

 

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家事の分担に関する議論を行うためには、まずどんな家事があるのか、を把握し夫婦で認識を合わせておかなくてはいけません。

認識合わせに有用な手段としてリスト作成をお勧めします。

リストにすることで家事の内容を可視化でき、どのように分担すべきか、そもそも家事にかかる時間を減らせるよう改善できないか、という議論に進みやすくなります。

 

ただ、やはりこの家事担当の振り分けが揉めるポイントです。お互いに、自分の方が多くやっているのではないか、自分の方が負担重いんじゃないか、と思いがちです。

なので、家事個別の負担をもう少し可視化するといいです。家事負担の重みつけ、です。

重みつけののためにシンプルに一つの基準に従って家事を二つに分類してみましょう。

その基準は「その家事は決断を要するか」です。

シンプルにすることで打ち手を考えやすくなります。

 

なぜ決断要否を基準とするか。

 

決断するためには、多くの情報を仕入れ、いくつかの観点で比較検討し、最終的に一つを選ばないといけません。いくつもの工程が入るんですね。家事で一括りにされがちですが、決断が必要な家事と、それ以外は作業として分けることができます。

 

例えば、料理。

料理は「何を作るか」と決断するパートと「調理する」パートに分けられます。

何を作るかを決めるためには、レシピを調べ、冷蔵庫にどんな食材が入っているか情報を集め、情報をもとにレシピを比較検討して、決定するという作業が必要になります。

何を作るか決まってしまえば実際の調理は作業となります。決められた分量の材料を入れ、煮たり焼いたり。そこで悩むことはあまりありません。

 

つまり、

難易度が高い家事・・・決断が必要な作業

難易度が低い家事・・・決断が不要な作業。手を動かせば終わる作業。

に分けていくのです。これくらいざっくりの方が議論の入りとしてはいいと思います。

 

まず家事を分類し、家事の負担感についても夫婦間で認識を合わせておきましょう。

負担感も夫婦によって意見が異なると思います。妻にとっては簡単だと思うものが夫にとっては難しかったり、逆に夫にはなんでもないことでも妻の負担になっていたり。

こういった夫婦間で認識が違うことを確認することも重要な目的です。お互いが感じていることを素直に話せるようになってくると、議論の成功の確率はグッと高まります。

家事分類の基準をきっかけとして、家事の難易度についても夫婦独自の指標を作ってみることもいいかもしれません。

自分達で作り上げた指標であれば納得感ありますよね。これも作り上げる過程に大きな価値があります。

 

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具体的な家事割り振りに向けた流れを説明しておきます。

 

まず、難易度の高い低いで家事を分けてリスト化します。

 

リスト化後、難易度の低い作業の時間短縮に向けたテコ入れ方法を考えます。

テコ入れの方向性としては

  1. 作業するインターバルを長くする(例、掃除頻度の減少)
  2. 作業そのものをなくしてしまう(例、使い捨て便利グッズの導入)
  3. 作業を時短家電で代替する(例、食器洗い乾燥機の導入)

かと思います。

特に3は効果が大きい。今は本当に便利な家電がたくさんあります。もともと多くの時間が取られる家事を自動化できるので短縮効果がはっきり出ます。うちはドラム式洗濯乾燥機、食器洗い乾燥機、ロボット掃除機、ホットクックを導入しています。これらがないと生活は破綻しているでしょう。

ただ、これらの家電はそれなりに値が張ります。パートナーから文句出るかもしれません。そんな時こそ、リストの出番です。どれだけの家事があるのか、それを短縮することで生み出される価値がどれだけあるのか、をリストをもとに説明しましょう。家電への投資分なんてすぐ回収できます。時間を生み出すってそれだけ大事です。

 

次に手をつけるのは、決断が必要な難易度の高い家事への対応です。

こちらはどうすればいいでしょうか。

結論として、決断が必要な家事には時間をかけましょう。作業というルーティンの時間をなるべく減らし、捻出した時間を元手に考える時間を増やした方がいい。

というのも決断をする、何かを決めるということは、その後の生活の方向性を決めることになり、生活の質に直結します。なので、なるべく納得いくまで時間をかけて決断した方がいい。

 

例えば、また料理の例で恐縮ですが、料理の「何を作るか」の部分について、一回ちゃんと時間かけて1週間分のレシピを構築してしまえば、それに従って料理するだけになります。

1週間の献立という価値の高いアウトプットを出せます。

しかも、必要な食材も明らかになるので、買い出し材料を都度考える、という行為からも解放されます。

さらにさらに、材料が決まっていれば自分で買い出しに行かなくても、生協などの配達を利用すればさらに時間を節約できます。

「何を作るか」の部分に時間をかけてアウトプットを出すことで作業に落とし込める。そうすると、ますます家事にかかる時間を短縮することができる。得られた時間を使って別のことを考えることができる。

 

いいスパイラルに入りますよね。

たくさん時間を使ったとしても、得られる効果が大きいと思いませんか?

 

ここまでできると夫婦間でかなり認識が一致してきたと思います。

そして、夫婦の家事分担も負担が平等になるように、納得感ある分担ができそうな気がしませんか。

リストに従って一気に担当者を決めてしまいましょう。

 

あとは実行あるのみです。日常生活を頑張りましょう。

実行してみたらうまく行かないこともたくさんあると思います。その時はまた議論する時間をとって、修正していけばいいのです。

 

我が家も1週間に一回くらいは、何か負担になっているものがないか、お互いに聞いて修正をかけています。せっかく夫婦二人で機動性も高く行動できるので、対話を増やして心地よい家庭運営を目指しましょう!

 

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最後に、この考え方は家事以外にも応用できます。

決断が必要なことって、家事以外にもたくさんある。

育児関係は決断の連続だし、長期視点でのライフプランの構築にも多数の決断が必要です。

どこに住むのか、習い事は何するのか、受験するのか、転職したいのか、保険は何に入るのか、車買うのか、家買うのか、資産管理どうするか、等等。

ちょっと考えるだけでもこれだけ出てくる。本当に多くありますね。

 

そしてこれらは家庭運営プロジェクトの中でもトップクラスに重要な案件です。

コミュニケーションなくして成功はあり得ないでしょう。

ぜひ家事という日常に求められることを題材としてコミュニケーションを練習し、育児やライフプラン、資産形成へと議論を広げていってください。

 

改めて言いますが、夫婦は家庭というプロジェクトを共同で運営している共同責任者です。プロジェクトを成功させるために協力し合いましょう。そのような夫婦が増えれば嬉しいです。

 

ではでは。

 

*1:実際は育児もだけど記事のテーマ的にここでは割愛します。当然育児も分担必須だよ。

*2:家庭トータル体力=夫の体力+妻の体力。今作った式。家庭トータル体力の残量と家庭の平和には相関が見られるとか見られないとか

*3:ドラマ「逃げ恥」の台詞「夫婦は共同経営責任者」からアイデアもらっています。面白いドラマだったよね。

育児休業取得までの道のり〜動機編〜

順番前後してしまいましたが、どうして育児休業を取得しようと考えたのか、そこに至った自分の考え方を残しておこうと思います。

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前回ブログでもおおよそ書きましたが、育業取得の最大の動機は、仕事しながら新生児の世話をすることは不可能と思ったため。生まれてから数ヶ月は非常に過酷な生活になることは1人目の世話をした経験から分かっていたことでした。さらに、今回は2歳児というほぼ赤ちゃん、しかもイヤイヤ期に突入気味!(辛い)、を抱えての世話となるわけで、これは絶対に無理!と確信していたわけです。

一人目の時は育業をとっていませんでしたが、在宅ワークによって子育てのリアルを体験したからこそ、この確信に至っています。在宅勤務で感じたことを綴った過去記事は以下。

mayonaka24hours.hatenablog.com

 

日本ではまだまだ妻に負担が寄りがちです。育児休業の取得に関しても「男性がとってんじゃねーよ」という雰囲気が根強くあると思います。それでも、少しづつ男性の育児休業取得に歓迎ムードが出てきており、取得の割合も上向きという追い風を受けつつ、半年間の育児休業の取得に踏み切ったのは、夫婦間は公平であるべき、という自分の信念があります。

我が家はフルタイム共働きです。夫である自分も育児休業を取得することで、仕事のキャリアにどのような影響が出るのか、もし負の影響が出たとしたらそれをどうやって乗り越えていけばいいのか、を経験して考えていきたいと思っています。これは妻と経験を共有することになり、今後の夫婦共働きキャリアをどのように築いていくべきか妻と一緒に考えていくうえでの基盤となる経験になると思います。これから一緒に生きていく妻と同じ目線で話すことができる経験を一個増やせるというのは魅力的に思いませんか?

なにより家事育児による負担が、妻の人生がより良くなるチャンスを奪うことは決してあってはならないと思っています。仕事にせよプライベートにせよ。チャンス自体を活かせるかどうかは本人の能力です。チャンスをふいにする人はたくさんいるでしょう。自分も妻にすべてのチャンスを活かしてほしいとは思っていません。ただ、不当に多くの時間を奪われてしまうことはそもそもチャンスに巡り合うことすら不可能にしています。これでは奴隷です。こんな不幸なことがあってはいけないと思います。少なくともチャンスに巡り合う公平性だけは確保されていなくてはいけません。これは自分の中の強い思いです。育児休業の取得は上記の考えから出てきた行動の一つになります。

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最後に、

先日日経新聞の記事でも子育て世代における妻の負担の大きさが取り上げられていました。

子育て世帯の夫の家事・育児時間、なお妻の4分の1: 日本経済新聞

特に6歳未満の子供がいる世帯では妻の負担が大きくなっています。本記事では共働きか専業主婦世帯か、まで切り分けられていませんので細かく議論しようと思うとデータを精査する必要があるかと思いますが、負担が妻側に大きく偏っていることが多いということは分かる内容かな、と思います。

常々、同じように働いているのに、なぜ妻だけが家事・育児の負担を多く引き受けなければいけないのか、と思っています。そのため、これまでの生活でも家事・育児に関わる時間は、お互いで半々になるようにしてきました。しかも、時短家電の導入は積極的に行っており、それによって洗濯、料理(洗い物含む)、掃除にかけている時間はかなり少なくした状態で家事育児の時間を半々にすることができています。自分の仕事時間と妻の仕事時間を考慮し、さらにストレスが溜まりすぎないように自由に使える時間が必要だよね、とお互い話し合って合意できたので、決して安くはないけれども時間を捻出するために必要な時短家電の導入もスムーズに進んだと思っています。

また、去年は子供が保育園に通い始めて一年目でとにかく風邪をよくひいたし、喘息も発症して保育園に通えない日も多くありました。その時は時間割を作って、大体お互いの時間が半分になるように調整しましたし、それでも捌ききれない時は在宅勤務の自分の方が仕事の都合をつけやすかったので子供の病気対応を自分の方が多くやっていました。

僕は決して全ての家庭でこうあるべき、と思っているわけではありません。様々な家庭の事情はあるでしょうが、少なくとも我が家ではフルタイム共働き夫婦として、自分達で納得できるキャリアを描いていけるように、お互いの可能性を最大限に引き出せる夫婦になれるように、家事育児に一緒に取り組んでいけたら、と思います。

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育児休業備忘録も作成中です。

育児休業備忘録(1ヶ月経過) - まよなかブログ